くらわんか! 天の川に夢を乗せて
主人公・亮(青木玄徳)は浅草の車屋「小杉屋」で車夫のアルバイトをしながら小説家を目指している。無口でおとなしいのでなかなか客がとれず、車夫仲間からは落ちこぼれ扱いをされている。そんな亮の唯一の常連は上品な老夫人の多恵(長内美那子)である。多恵は毎週決まった時間に亮の車に乗り、同じコースを回り、何故か同じカフェでお茶を飲むのだ。カフェの女主人ゆかり(秋本奈緒美)とアルバイトの小夜(岩田陽*)も不思議に思っている。 しかしある日を境に多恵が来なくなってしまう。心配になった亮はカフェのゆかりを訪ね、多恵の入院を知る。余り容態の良くない多恵の見舞いを重ねるうち、亮は多恵から大阪・枚方にいた頃の高校時代の初恋の話を聞く。「死ぬまでに一度は初恋の人に会いたいなぁ…」とつぶやいた多恵の思いを果たそうと亮は無鉄砲にも枚方に向かい初恋の人を探し始め、枚方の町を駆け回る...