死者笔迹原名:遺墨,又名「松本清張サスペンス 隠花の飾り」遺墨
1986年6月9日、関西テレビ制作・フジテレビ系列(FNS)の「松本清張サスペンス 隠花の飾り」(22:00-22:54)の1作として放映。 速記者の向井真佐子は、その正確な速記が哲学者の呼野信雄に気に入られ、以後呼野の指名を受けるようになった。呼野は哲学の業績と同時に、東洋美術に関する平明なエッセイを書き、人気を博していた。真佐子は呼野から、速記だけでなく自宅で仕事を手伝ってもらえないかと依頼され、呼野の専従となった。呼野夫人は、夫の仕事に関心が薄く、世話もあまりしていないことがわかった。呼野は真佐子に心楽しそうに仕事を教えた。二人の間に愛情が生まれ、やがて外で密会を重ねるようになった。 一年ほどして呼野は自宅で倒れた。死を覚悟した呼野は真佐子を枕元に呼び、これまでのお礼・遺産分けとして、短文と墨絵による画帖を渡した。それで呼野が息をひきとっていた...