寺田家の花嫁
東京で高級マンションに暮らす斉木千佳子は、暴君な夫との離婚後に父親を亡くし、悲しみから逃れるように田舎暮らしを望むようになった。そして、農村の青年と出会うお見合いパーティーに参加する。そこで、岩手県で雑貨屋を営む寺田光生と意気投合し結婚、寺田家へ移り住む。光生の母セ*と妹の綾子は温かく迎えてくれたが、村人たちの視線はなぜか冷たく千佳子を突き刺した。 千佳子は前夫・原口から執拗に再婚を迫られていたが、借金の取りたてに疲れたという遺書を残して原口は自殺。復縁は千佳子の父親の遺産が狙いだった。光生も離婚歴があり、前妻・美弥は田舎暮らしが性に合わず、東京に戻っていったという。 田舎の暮らしに慣れてきた頃、千佳子は隣人の及川清治から食用花の種をもらう。及川は美弥にも同じ種をあげていた。 そんな中、千佳子の前に美弥の兄・権藤利夫が現れる。美弥は離婚ではなく失踪し...