見上げた空とマスク又名outlook for the sky with the mask
2022年夏。長引くコロナとの戦いの日々が、人々の生活をひっ迫させていた。東京23区では各区が独自の感染対策 を展開した結果、対策が“徹底されている区”と“徹底されていない区”に二分化。これにより、富裕層と低所得者の生活も完全に分かれ、社会に格差を生んでいた。 そんな中、公園に張られたブルーシートの家。恵美子は、妹の礼子と一人息子の隼人の三人で暮らしていた。苦しい生の日々。すると今の生活に嫌気をさした隼人が、東京を飛び出し、感染の少ない地方で新たな生活を始めようとする。家 族がバラバラになる事を恐れた恵美子は、昔の特技を生かし、生活を立て直す事を考え始めた。その特技とは、スーパーの万引きだった。