青春前期
明道高校の教師潤子は生徒達から慕われていた。三年生の奈津子が町の不良に**された時彼女の担任国信の口からそれが洩れた。奈津子を愛する武志は国信を激しく叱問した。彼の担任である潤子は、武志が寄寓する彼の叔父中瀬を訪れて相談した。そして大学の教師をやめたという彼の青年を理解する言動に心惹かれた。奈津子の母は継母だった。噂の的となった義娘を信州の伯父に預けて転校させようとした。武志は潤子と共に信州に訪れる事にしたがその日潤子に急な事故がおきて、武志が一人で出発した。彼は奈津子と山を歩くうち嵐に逢い、温泉宿にとじこめられた。「君は純潔だ」と叫んで、武志は奈津子を東京へ連れ帰ったが、山の事から二人は教師達の冷い目をあびる。潤子と中瀬だけが、二人を信じていたわった。武志は奈津子を襲った石森を殴りつけたが、憎しみは消えない。奈津子は死を決して信州に去った。後を追っ...