闘牛に賭ける男
マドリッドの闘牛場で一人の日本人が興行界の大立者ガリエゴの姿を求めていた。この闘牛場には他にも若い男女の日本人がいた。その冴子と江藤は、そこに北見の姿を見て驚いた。彼はとうとう闘牛を追ってスペインへやってきた。--冴子と江藤の婚約披露パーティの夜、財閥の親同士が決めたこの結婚に、冴子は気がすすまなかった。パーティを途中から抜け出し、スペイン料理店で闘牛の招へいに失敗した新聞社の事業部員北見に会ったとき、冴子は彼にひかれるものを感じたのだった。--北見に、冴子たちは「キャフェ・デ・ガリエゴ」で出会った。だが、北見はガリエゴを追ってパリヘ行かなければならなかった。--結婚するために劇団を引退する冴子の最後の公演の時だった。新聞社を辞めた北見は、アメリカのテレビ会社からフィルムを買ってテレビ会社へ売りつける元手を借りに江藤と冴子の前に現われた。彼は、セリフ...