临时工故事原名:ニコヨン物語,又名Niko-yon monogatari
東の空が白む頃、山谷ではアチコチの簡易旅館の窓が開きニコヨン連中はまず空を見る。今日は天気。“希望館”から飛び出したのは天下の為さん、元将軍、その他ニコヨン大隊。目標は職安である。その晩、館の二階で一同がくつろぐ中に、労働組合の執行委員田崎と同志とよ子は就労対策のビラ造りに懸命。為さんは新米の元教員耕介に日給の使い方を伝授。ふと向いの“昭和館”、源さん夫婦の部屋を覗いてどきり。パン屋に住込奉公している源さんの娘君子の姿。耕介も彼女に眼をつける。昭和館の住人、競馬狂の与五さんは、女房お虎の頑固親父寿し金の来訪に仰天、逃げ出す。寿し金は娘のニコヨン暮しが恥しく別れ話を持ち出すが、お虎にしてみれば駈落ちした程好きな男。それに下町娘の意地もある。深夜、けたたましい悲鳴。厳さんの女房お栄が家出したのだ。泣き叫ぶ厳さんを皆はなだめ落着かせたが、翌日は雨。アブレだ...