君たちがいて僕がいた
城山高校は、小田原にある。大学受験を控えてここも戦々競々としている。PTA会長**大造の息子彰もその被害者の一人で、父親の有名校病にすっかり、精気をなくしていた。友人の佐藤洋や久保知恵子も彰に同情する仲間だった。洋の姉は、町一番の芸者幸奴で、洋を大学に入れるために、町のボス大造に追いまくられていた。大学進学を思い悩む洋を励ましているのは、母キヨと高野医院長との再婚を秘に願っているお茶目でよく気のつく、知恵子だった。幸奴も弟洋を気づかって矢吹先生に相談をもちかけたが、それが大変な誤解を招くことになった。体*の時間に彰が怪我をしたことで、怒った大造が、町の赤新聞を利用して、矢吹先生と幸奴の事を*めて書きたてたのだ。また、女子学生も毒牙にかけたというのだ。矢吹先生に好意をもっていた知恵子が、先生の下宿を訪ねたのが誤解されたのだ。古沢校長の援護もかいなく、放...