百面童子 第三篇 バテレンの宴
第三篇--命運尽きたと見られた三人も、左門が作っておいた抜け*のお蔭で虎口を脱した。婆天連坊は、ある日左門父子が語り合うのを耳にし、鏡の在処を知り、数日後の深夜、代官屋敷の宝庫に現われ、手文庫の奥深く秘められたギヤマンの鏡を取り出したが、主膳一味と百面童子に襲いかかられた。争奪戦の末、真ッニつに割れた鏡は、婆天連坊と百面童子に半片ずつ渡った。右源太と暮すマリヤ姫は、自分が主膳の娘ではなく、イスラム王国の王様の娘なのだと知って驚いた。婆天連坊はマリヤ姫を手に入れようと妖術で化け込んだが、右源太に見破られ、急を聞いて左源太も駈けつけた。だがその妖術の短筒に、左源太の命は風前の灯となった。